BH/VT

Begleithundeprüfung mit Verkehrssicherheitsteil FCI-BH/VT

同伴犬試験と交通環境での安全性評価

 

すべてのハンドラーは各国組織の規則に準じた専門知識試験の合格証明を提出しなければならない。あるいは犬の専門知識者であるという公的に発行された証明書を提示しなければならない。試験には、犬種、サイズ、血統書の有無を一切問わず、すべての犬が参加できる。受験可能月齢は各国組織によって定めることができる。ただし、最低12ヶ月以上でなければならない。

 

BH/VT NPOBH/VT国内プログラム)は、指定された練習場での服従(指定の課題)および交通環境におけるテストが含まれている場合に認定されます。

 

試験を再受験する場合、特定の間隔は設けられていません。ただし、1つの試験イベント内(2日間の試験を含む)では1回しか受験できません。試験の合否にかかわらず、すべての試験結果は成績証明書に記録されます。

 

この試験では、特に交通環境における社会適応性の確認と、練習場での基本的な服従訓練の確認に重点が置かれています。

 

練習場での服従試験 Gehorsamsprüfung auf dem Übungsplatz

 

全般規定

 

基本要件

 

・表現行動/自信

 

特に犬の表現行動を重視して評価されます。犬は、ハンドラーのために求められた動作を「進んでやりたい」と示す必要があり、「仕方なくやっている」印象を与えてはいけません。耳や尾の位置、緊張した筋肉、不自然な動き、過剰なよだれ、落ち着きのない行動など、全体的な表情が細かく観察され、評価に反映されます。ハンドラーの命令に対する否定的な反応は減点の対象となります。

 

・モチベーション

 

犬は、楽しそうで意欲的に作業に取り組む姿を見せなければなりません。作業意欲と遂行能力が重要視されます。

 

・集中力/注意力

 

作業全体を通じて犬はハンドラーに集中し続ける必要があります。ただし、極端に異常な体勢や頭の位置を示すことは好ましくありません。ハンドラーの命令を常に直接的かつためらいなく受け入れなければなりません。

 

・チームの調和

 

パフォーマンスは調和がとれていることが求められます。犬は自然な歩調で指導手についていかねばなりません。

 

・技術的正確さ - ポジション

 

表現豊かな行動や調和のとれたパフォーマンスに加えて、技術的に正確な動作の実行も重要視されます。

 

命令に対する犬の反応

 

犬は、ハンドラーの命令に対して、喜んで、自信を示し、直ちに動作を実行しなければなりません。恐怖やストレスに起因する行動は、課題の評価を下げる原因となります。

 

追加の命令

 

追加命令1回(2回目)−1.5

追加命令2回(3回目)−2.5

 

犬が3回目の命令後も動作を実行しない場合、その課題は評価なし(0点)となります。

 

犬が間違った動作を行った場合(例:座る動作なのに立つまたは伏せる、伏せの動作なのに座るまたは立つなど)、その課題は50%の減点となります。

 

犬が命令なしで動作を行った場合、2点の減点となります。

 

基本姿勢

 

基本姿勢とは、犬がハンドラーの左側で座る位置を指します。すべての課題は基本姿勢から始まり、基本姿勢で終わります。基本姿勢は、各課題のために一回だけ、前方への動きを止めて行います(バックをしながら行ってはいけないという意味です)。基本姿勢において、犬はまっすぐに座り、指導手に注意を向け、肩甲骨の位置がハンドラーの膝の側面と一致している必要があります。指導手は足を広げて立つことは許されず、両腕はリラックスした状態で体の側面に沿っている必要があります。(不自然または極端な位置や動きを取らない限り、また犬に意図的に触れるような行為がなければ、腕(手)は体に密着させる必要はありません)

 

助走(脚側行進)

 

「座れ」および「伏せ呼び寄せ」の課題において、基本姿勢から脚側行進が行われます。助走(脚側行進)の距離は最低10歩、最大15歩。その1015歩の間に命令を与えます。

 

待っている犬のもとに戻る/正面停座から終了基本姿勢

 

待っている犬のもとに戻って、犬の右側に立つときは「犬の正面から直接」または「犬の左側から後ろを回って」のどちらでもよい。

 

犬を呼び寄せる際に、「呼び寄せの命令」の代わりに「犬の名前」を使用することができる。犬の名前に加えて何らかの命令を行った場合はダブルコマンドと見なされる。

 

呼ばれた犬は「喜んで」「ダイレクトに」ハンドラーのもとに来て接近して真っ直ぐに正面停座を行う。次の「基本姿勢に移る命令」で、犬は直ちに終了基本姿勢のポジションに移動しなければならない。その際、ハンドラーの後ろを小回りでくるっと回る、または頭を軸に体を(上から見て)180度左反転する。どちらの方法で行ってもよい。

 

犬が正面停座から終了基本姿勢に移行する際に追加命令があった場合、以下の減点が適用されます:

 

正面停座から終了基本姿勢への追加命令1回(2回目の命令)−1.5

正面停座から終了基本姿勢への追加命令2回(3回目の命令)−2.5

 

3回目の命令後も犬が終了基本姿勢に移動しない場合、その課題の全体は「M/不可」と評価されます。

この場合は課題終了場面の特別ルールにより、0点とはなりません。

 

褒める行為

 

各課題の後、犬をリラックスさせて褒めることができます(最大約5秒間)。この褒めることとリラックスのときは、犬が基本姿勢の位置から離れることが許されます。その後は、新たな基本姿勢をとる必要があります。そして約3秒間後に次の課題を開始します。

 

申告

 

服従試験の開始前に、ハンドラーは犬をリードでつないだ状態で審査員の前で基本姿勢をとり、自分の名前と犬の名前を伝えます。

 

課題の開始と終了

 

課題の開始は審査員が指示を出します。それ以外の動作(方向転換、停止、歩度の変更、停止後の再出発など)は審査員の指示なしで実行します。ハンドラーが課題を忘れた場合、審査員は忘れた課題を実行するよう促しますが、この場合、減点はありません。ただし、ハンドラー(犬)が課題の一部を省略した場合には評価に影響を及ぼします。

 

BH/VT服従要領図

 

課題の説明:

 

1. リード付き脚側行進

30

2. 常歩行進して座る

2パターンから選択)

10

3. 常歩行進して伏せ

2パターンから選択)呼び寄せ

10

4. 状況下での休止

10

 

課題開始(申告後)

 

審査員の指示に従い、ハンドラーと犬は「リード付き脚側行進」のスタートポジションに移動する。もう一人のハンドラーは犬とともに「状況下での休止」の位置に向かう。

 

1. リード付き脚側行進 30

 

まっすぐで、落ち着いた、注意深い基本姿勢から、ハンドラーによる脚側行進のための命令「Fuß」に従い、リード付きの犬は、注意深く、喜んで、直ちにまっすぐに歩き出します。犬は肩甲部が常にハンドラーの左膝の側面に位置し、停止時には命令なしで直ちに、まっすぐ座らなければなりません。リードは左手で持ちます。

 

出発後、ハンドラーは犬とともに、最低50歩まっすぐ進みます。その後、「左反転ターン」「常歩1015歩」「速歩1015歩」「ゆっくり1015歩」「常歩1015歩」の後、ハンドラーは「停止」します。そのとき犬は命令なしで座らなければなりません。

 

左反転ターンはハンドラーが左回りで行う必要があります。犬は左回転中のハンドラーの周囲を右小回りでくるっと回る、またはハンドラーとの位置関係を変えずにハンドラーと同じ動作で頭を軸にして体を180度左反転する。歩行速度を変える際、必要に応じて脚側行進のための命令「Fuß」を与えることができます。速歩からゆっくり、そして、ゆっくりから常歩への移行は、間に曖昧な歩度を示すことなくスムーズに行う必要があります。

 

「停止(指示なし停座)」の後、審査員の指示に従い、ハンドラーは犬とともに最低4人の動いている群衆に進みます。ハンドラーと犬は群衆の一人に対して左回り、さらに一人に対して右回りを行い、群衆内で停止します(左回りと右回りの順番に決まりはありません)。そのとき犬は命令なしで座らなければなりません。審査員の指示で、ハンドラーと犬は出発地点に戻り、基本姿勢をとります。そしてここが次の課題の開始地点となります。この場面で犬のリードを外します。

 

評価基準:

 

以下の行動は誤りと判断される:「前に出過ぎる」「離れる」「遅れる」「遅いまたはためらいがちな座り方」「余分な命令」「補助行為(体符)」「基本姿勢でのミス」「注意散漫」「作業意欲やモチベーションの欠如」「自信の不足」また、犬が極度に緊張したり異常な歩行をする場合も、度合いに応じて評価が下がる。

 

2. 座れ 10点 (2通りの方法から選択)

 

その@

常歩で脚側行進を開始し、1015歩の間で、ハンドラーは「座れ」の命令を与える。犬は直ちにまっすぐ座る。この際、ハンドラーは止まったり、歩度を変えたり、振り返ったりしてはいけません。

 

そのA

常歩で脚側行進を開始し、1015歩の間で、ハンドラーは停止する。犬は命令なしで直ちにまっすぐ座る。その後、ハンドラーは「座れ」の命令を与え、犬から離れる。

 

@またはAの実行後、ハンドラーは最低15歩進んで振り返り、審査員の指示で犬のもとに戻り、終了基本姿勢を示す。

 

犬は命令に対して自信を持ち、リラックスした状態で、ハンドラーに注意を向けながら静かに座って待ち続ける必要があります。

 

評価基準:

 

以下の行動は誤りと判断される:「動作が遅い座り方」「自信の欠如」「戸惑い」「命令に対するためらい」「待っているときに落ち着きがない」「注意散漫」これらは、他の失敗と合わせて評価を下げる要因となります。犬が立ち上がったり伏せたりした場合、この課題の評価は最大でも得点の50%(5点)までとなる。

 

3. 伏せと呼び寄せ 10 (2通りの方法から選択)

 

その@

常歩で脚側行進を開始し、1015歩の間で、ハンドラーは「伏せ」の命令を与える。犬は直ちにまっすぐ伏せる。この際、ハンドラーは止まったり、歩度を変えたり、振り返ったりしてはいけません。

 

そのA

常歩で脚側行進を開始し、1015歩の間で、ハンドラーは停止する。犬は命令なしで直ちにまっすぐ座る。その後、ハンドラーは「伏せ」の命令を与え、犬から離れる。

 

@またはAの実行後、ハンドラーは最低30歩進んで振り返り、犬の方を向きます。犬は呼び寄せの命令があるまで、ハンドラーに注意を向けながら静かに伏せたままでいなければなりません。審査員の指示で、ハンドラーは「来い」の命令(または犬の名前)を与え、犬を呼び寄せます。犬は喜んで意欲的にまっすぐハンドラーのもとに来て接近して真っ直ぐに正面停座を行う。約3秒後、基本姿勢を行うための命令「Fuß」で、犬は終了基本姿勢に移動する。約3秒間の終了基本姿勢を示した後、犬を褒めてリラックスさせてもよい。

 

最後に犬をリードを付けて、「状況下での休止」のポジションに移動、または終了申告のために審査員のもとへ行きます。

 

評価基準:

 

以下の行動は誤りと判断される:「動作が遅い伏せ」「ためらいがある」「まっすぐでない伏せ」「自信の欠如」「戸惑い」「命令に対するためらい」「待っているときに落ち着きがない」「注意散漫」「呼び寄せがハンドラーに目標を定めた動きではない」これらは他の失敗と合わせて評価を下げる要因となります。座ったり立ち上がったりした場合、この課題の評価は最大でも得点の50%(5点)までとなる。また、呼び戻しの際に2回目の追加命令(3回目)を与えても犬が来ない場合、この課題は「M/不可」0点となります。この場合、ハンドラーは犬を迎えに行き、試験の次の課題に進みます。

 

4. 状況下での休止 10

 

基本姿勢で犬のリードを外し、ポケットに入れるか肩にかけ(左肩から右腰)、審査員の指示で「伏せ」の命令を与えて犬を伏せさせます。犬が伏せた後、ハンドラーは犬から約10m離れ、左肩あるいは右肩を犬のほうに向けて横向きに立ちます。犬は、もう一方の犬が課題を実施する間、ハンドラーからの影響を受けずに静かに伏せている必要があります。

 

もう一方の犬が「伏せと呼び寄せ」を完了した後、審査員の指示でハンドラーは犬のもとに戻り、伏せている犬の右側に立ちます。審査員の指示で、ハンドラーは「座れ」の命令を与えて基本姿勢を行います。その後にリードをつけます。

 

評価基準:

 

以下の行動は誤りと判断される:「基本姿勢でのミス」「落ち着きのない行動」「ハンドラーによる補助」「早すぎる立ち上がりや座り直し」「伏せ位置からの離脱」これらは、程度に応じて減点の対象となります。

 

また、もう一方の犬が「1. リード付き脚側行進」の課題を終える前に、伏せの位置から3m以上離れた場合、この課題は0点と評価されます。それ以降の場面で3m以上動いた場合、この課題の得点は最大でも5点に制限されます。さらに、ハンドラーが犬のもとへ向かう際に、犬が立ち上がってハンドラーの方へ進んだ場合には、最大で3点が減点されます。

 

交通環境での安全性評価Bセクション)

 

概要

 

この交通環境におけるテストは、Aセクション(服従)を無事に合格した犬のみが参加できます。以下の課題は、練習場(服従会場)以外の適切な環境下で、街中や公共の場所で実施されます。審査員は試験責任者とともに、公共の交通空間(道路、歩道、広場など)で試験をどこで、どのように実施するかを決定します。実施の際には公共交通機関の妨げにならないように注意する。

 

試験の性質上、この課題の実施にはかなりの時間を要します。しかし、たとえば進行を急ぐ必要がある場合でも、表面的な評価や手抜きによって課題の要求水準が損なわれてはなりません。

 

B部門の各課題に対して得点は与えられません。B部門の合否判定には、交通や公共の場で行動する犬の全体的な印象が重要となります。

 

以下に説明されている課題はあくまで参考例であり、審査員が地域の状況に応じて柔軟に調整することができます。また、審査員は行動に疑問のある犬にもう一度同じ課題を実行するように要求したり、あるいは課題を変化させて実行させることができる権限を持っています。

 

交通環境におけるテスト課題(例)

 

1. 人の集団に遭遇したときの犬の態度

 

審査員の指示に従い、ハンドラーはリードを付けた犬とともに、指定された歩道区間を進みます。審査員はチーム(ハンドラーと犬)を適切な距離から追従します。犬はハンドラーの左側でリードを緩ませた状態で、肩がハンドラーの膝の側面に位置する状態で従順に歩行する必要があります。犬は、歩行者や車両の通行に対して無関心でなければなりません。道中で、ハンドラーは通行人(協力者)に前方を横切られますが、犬は冷静で動じない態度を示す必要があります。その後、ハンドラーと犬は最低6人の人々がゆったりと集まる群衆を通り抜けます。群衆通過中に1人がハンドラーに話しかけ、握手を交わします。この短い会話の間、犬はハンドラーの指示に従い、そばで座るか伏せた状態で、静かに振る舞わなければなりません。

 

2. 自転車に遭遇したときの犬の態度

 

ハンドラーはリードを付けた犬とともに道を進みます。最初に、自転車が背後からベルを鳴らしながら追い越します。その自転車は大きく離れたあと、Uターンをして再びベルを鳴らしながらハンドラーと犬に向かってきます。自転車が通過する際は、犬がハンドラーと自転車の間に位置するようにします。犬は自転車に対して落ち着いた態度を保たなければなりません。

 

3. 自動車に遭遇したときの犬の態度

 

ハンドラーはリードを付けた犬とともに複数の自動車の近くを歩きます。その途中で、1台の車がエンジンを始動します。また、別の車ではドアが閉まります。さらに、ハンドラーと犬が進んでいる間に1台の車が彼らの横に停車し、窓が開けられてハンドラーに質問がされます。この際、犬はハンドラーの指示に従い、そばで座るか伏せた状態で、静かに振る舞わなければなりません。犬は自動車や交通音に対して落ち着き、動じない態度を示さなければなりません。

 

4. ジョギングまたはインラインスケートをする人に遭遇したときの犬の態度

 

ハンドラーとリード付きの犬が静かな道を歩いていると、最低2名のジョガーがスピードを落とすことなく追い越して行く。その後、再び前方からジョギングをしている人たちが来て、犬の横を走りすれ違います。犬は正確に脚側行進をする必要はありませんが、追い越していく人や向かってくる人に対して迷惑をかけてはいけません。ジョガーとの遭遇時に、ハンドラーが犬を座らせたり伏せさせたりすることは許容されます。ジョギングしている人の代わりに、12人のインラインスケートをしている人がハンドラーと犬を追い越したり、向かってきたりする場合もあります。

 

5. 他の犬に遭遇したときの犬の態度

 

他の犬とそのハンドラーがすれ違ったり追い越したりする際、犬は中立的な態度を保たなければなりません。ハンドラーは「脚側行進(Fuß)」の命令を繰り返し与えたり、遭遇時に犬を座らせるか伏せさせることも可能です。

 

6. 道で繋がれて少し待たされたときの犬の態度、他の動物に対する犬の態度

 

審査員の指示に従い、ハンドラーはリードを付けた犬とともに、適度に人通りのある通りの歩道を進みます。しばらくして、審査員の指示でハンドラーは犬のリードをフェンスや石垣、またはそれに類するものに固定します。その後、ハンドラーは視界から外れ、商店や建物の入口に入ります。犬は立つ、座る、または伏せた状態で待機することが許されます。ハンドラーがいない間、通行人(協力者)がリードを付けた犬を連れて、約5歩の距離を空けて試験対象の犬のそばを通り過ぎます。この際、試験対象の犬は静かに振る舞い、通行する犬に対して攻撃的な行動(リードを強く引っ張る、執拗に吠えるなど)を見せてはなりません。審査員の指示でハンドラーは犬を迎えに戻ります

 

備考

あらかじめ予定していた場所で全受験犬の全審査を完了させるか、あるいは全受験犬がいくつかの課題を終えたあとに、場所を移動して審査を行うかは審査員の判断に委ねられている。