2021 WUSV世界選手権
レポート
2021.11.09 益田晴夫
出国準備編
京都でのコロナワクチン接種は、私の対象年齢の開始が 一回目が9月中、二回目が10月中という告知だったので 「あー、今年もWUSV世界選手権(ヨーロッパ)に行け ないなぁ」と思っていたのですが、一回目の接種が8月 26日にできるということで「行く!」と決断して、出 発のための準備を大慌てで始めました。
いつも利用しているフライト(関空→アムステルダム) がコロナの影響で飛行機が小型機となっており、犬を搭 載することができず、やむを得ず成田発の飛行機を予約 しました。
10月16日10:20の出発に間に合うように京都を前日の 19:00に自家用車で出発。

だーれもいない成田空港

400席のジャンボに9名だけの乗客
アムステルダムに無事到着。飛行機を降りてすぐにアル バイトのお兄ちゃんが、コロナワクチン接種証明書を確 認するだけで、オランダ入国はいつもどおりいたってス ムースでした。ベルギーでの10日間の合宿を経て、い ざ開催地スペインに向けて車で1400km移動しました。
WUSV世界選手権編
ここからは、今後注意しなければならないことや審査の 気になった点をレポートします。
昨年2020年はコロナの影響でWUSV世界選手権は不開 催でした。今年は2021年11月1日〜11月7日にスペイ ン北部のLermaという小都市で開催されました。
コロナの影響で観衆は少ないだろうなと思っていたので すが、意外や意外、近年のWUSV世界選手権の三本の指 に入るほどの観衆でした。
トリビア、ふむふむ、参考編
受付後の「テーブルジャンプテストとマイクロチップ確 認と獣医による診断」は、WUSV世界選手権の審査委員 長立ち会いのもとで行われます。2019年まではテーブ ル(診察台)に登るためにボールやエサを使用しても OKでしたが、今年からはボールやエサの使用は禁止と なりました。あくまでも命令だけで犬はテーブルに登ら なければなりません。もし、登れない場合は失格となり 競技に出場できません。
目録も時間割も貼り出し成績表もない
2020年2月にアメリカのロサンゼルスで審査をしたと きもそうでしたが、各国チームごとに配付された以外 に、目録はありませんでした。出場時間割も貼り出し成 績表もありませんでした。出場者も観衆も各自がスマホ で確認するのです。日本はペーパーレス化、デジタル化 がずいぶん遅れていると思いました。日本は申込みも 「現金書留で申込書と出場料を送る」って、昭和か!と ツッコミたくなります。
公開練習
公開練習においては、リードとチェーン首輪以外、特殊 な装備(追加の長いリード、追加の首輪、棒類、テント を小回りにさせるための装置等々)の使用は一切禁止で す。
前進のための装置(ボールを吊す棒等々)はOKでし た。
追求
少しかがんだ姿勢で犬に「サガセ」の命令を与えること (物品発見後の再出発でも)が減点対象となりました が、それは間違いです。なぜその審査員のミスが発生し たかというと、IGP規定書の原版ドイツ語には出発の際 の指導手の姿勢に関して記載されていませんが、英語翻 訳版には「追求スタートの際(物品発見後の再スタート でも)には指導手は真っ直ぐに起立の姿勢で犬に命令を 与えなければならない」と記載されているからです。今 年の追求の審査員はイギリス人なので英語バージョンの 誤った規定で審査したのです。(このことはFCIユーテ リティ委員会のフランス・ヤンセン会長に報告したとこ ろ、直ちに対応するとのことでした)
マイクロチップのチェックは追求終了後に審査員によっ て行われます。
服従
今年の審査員はアメリカ人でした。彼は基本姿勢におけ る指導手の左手の位置は犬の顔の外側にあっても特に問 題ないとチームキャプテンミーティングの際に説明しま したが、これも間違いです。「基本姿勢において指導手 の左手は体に密着していなければならない」です。
マイクロチップのチェックは服従終了後に競技場内でア シスタントによって行われます。
防衛
2021WUSV世界選手権の防衛で特に印象に残ったこと (各国の公開練習を見学していて。そしてそれが本番に 反映されているなぁと感じたこと)。
「6番テントにいるヘルパーに対する禁足咆哮」は、ほ とんどの犬が片袖に対してではなくヘルパーに対して咆 哮していたことが、とても印象的でした。
練習で「吠えたら片袖を咬ませて、片袖をあげちゃって ください」は古い昭和のスタイルです。
「犬は片袖を無視してヘルパーに対して禁足咆哮する」 ことが大事です。そのためには咆哮した犬に対して片袖 を咬ませるのではなく、右手でご褒美(ボールやパット など)を与えることが大事です。これが現在の禁足咆哮 の主流です。
マイクロチップのチェックは防衛終了後に競技場内でア シスタントによって行われます。
帰国準備編
スペインでの世界選手権終了後、月曜日に道中でパリの エッフェル塔を高速道路から眺めながらフランスを縦断 してベースキャンプ地のベルギーに帰還。日本帰国に必 要となるPCR検査の予約をインターネットでして、水曜 日に国境を越えてオランダに行って参りました(といっ ても車で40分くらい)。途中、2017年WUSV世界選 手権のティルブルクのスタジアムの真横を通って懐かし く思いました。PCR検査の結果は翌日にメールで届きま す。陰性であれば日本に帰ることができますが、陽性の 場合は「飛行機に乗ることができません」。
以上、これから世界を目指す方の参考と なれば幸いに存じます。
最後まで読んでいただきありがとうござ います。
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